【梅雨を健やかに過ごすために】〜ケアスタッフの視点で心と体を守る暮らしのヒント〜
こんにちは!
毎年、6月から7月にかけて訪れる「梅雨」の季節。
しとしとと雨が降り続き湿度も高く、なんとなく気分もどんよりしがちになります。この時期は天候の変化が大きく、体調を崩しやすくなるだけでなく、気持ちにも影響を及ぼすことが多くあります。特に高齢の方にとっては日々の生活の些細な変化が大きな不調につながることもあります。
今回はそんな梅雨の時期を快適に、そして健康的に過ごすためのヒントをケアスタッフの視点でご紹介します!ご家族やご高齢の方にお読み頂けると幸いです。
■ 梅雨がもたらす身体への影響
梅雨の時期に多く見られる体調不良には、以下のようなものがあります。
関節痛や神経痛の悪化
気圧が下がることで、古傷が痛み出したり、腰や膝の痛みが強まることがあります。これは、体内の血流や自律神経のバランスが乱れやすくなるためといわれています※①
皮膚のトラブル
湿度が高い状態が続くと、汗がこもりやすくなり、湿疹やあせも、水虫などの皮膚トラブルが増える傾向があります。高齢になると皮膚が薄くなり抵抗力も低下するため、より注意が必要です※②
食中毒や感染症のリスク
雨の日が続くと、室温と湿度が上がり、細菌が繁殖しやすい環境になります。特に、作り置きの食事やお弁当などは注意が必要です※③
脱水症状と熱中症
「梅雨に熱中症?」と思われるかもしれませんが、実は湿度の高い室内で汗をかきにくい状態でも、体の中では水分が失われています。高齢者は喉の渇きを感じにくく、脱水に気づかないことも多いので要注意です※④
■ 心への影響と気をつけたいこと
梅雨の時期は天候の影響で気分が落ち込む人も増える季節です。以下のような症状が挙げられます。
日照不足による気分の低下
太陽の光を浴びる時間が減ると、脳内のセロトニンという神経伝達物質の分泌が減り、気分が沈みやすくなります※⑤
外出機会の減少と孤立感
雨が続くとどうしても外出が億劫になり、人との関わりも減っていきます。会話や交流が少なくなると、気分が沈むだけでなく、生活リズムの乱れや認知機能の低下にもつながりかねません※⑥
不眠や生活リズムの乱れ
日中の活動量が減ることで、夜眠れなくなる、昼夜逆転してしまうといった変化も見られることがあります※⑦
■ 毎日を見直す!梅雨の時期に気をつけたいポイント
梅雨を元気に過ごすために、以下のチェックポイントを毎日の生活に取り入れてみましょう。
【梅雨の健康チェックポイント】
□ 食後は早めに片づけ、冷蔵保存を心がけている
□ 室内の湿度が60%以下に保たれている(除湿器や換気を活用)
□ 皮膚のトラブル(湿疹・かゆみ・水虫など)に早めに気付けている
□ 水分補給を意識的に行っている(理想は1日1.5リットル以上ですが持病などありましたら主治医にご相談ください)
□ 雨の日でも軽い体操やストレッチをする
□ 誰かと毎日会話する(電話でも可)
□ 靴やスリッパに滑り止めがあり、雨の中でも安全に歩けている
このチェックポイントは、身体だけでなく「心の健康」のためにも役立ちます。例えば、会話がない日が続くと、孤独感や不安感が強くなりがちです。「声を出す」「人の声を聞く」ことは、それだけで心のリズムを整える助けになります。
■ 梅雨の暮らしを快適にするための工夫
天気に左右されやすい季節だからこそ、生活に“楽しみ”や“快適さ”をプラスすることが重要です。
照明を少し明るめにする
室内が暗いと気分も落ち込みやすくなります。朝はカーテンを開けて光を取り入れ、必要であれば日中でも照明を活用しましょう。
音楽で気分転換
雨音や癒しのBGMを取り入れることは、ストレス軽減とリラクゼーションに有効です。
アロマで気分アップ
ラベンダーや柑橘系の香りはリラックス効果があり、梅雨時期の気分転換に最適です。
手作業や趣味で手を動かす
塗り絵、折り紙、園芸、手芸など、手先を使う活動は集中力を高め、心を安定させる効果があります。
■ NCLだからできる、細やかな支援
梅雨の時期は、体調の変化や心の不安が出やすい季節ですが、私たち「ナースケア・リビング世田谷中町」では、その方の暮らしに合わせた柔軟な支援ができる強みがあります。 たとえば、雨で外出が難しい日も、「通い」ではなく「訪問」に切り替えて必要なケアを継続したり、急な体調の変化にも看護職が常駐している安心感があります。看護と介護が一体となって支える体制だからこそ、皮膚トラブルや水分管理といった細やかな身体ケアにも対応できます。 また、顔なじみのスタッフとの日常的なやりとりや、家庭的な雰囲気の中で行うレクリエーションは、気分の落ち込みや孤立感の予防にもつながります。通い慣れた場所、見慣れた顔ぶれがあることが、心の安定につながることも多いのです。 “いつも通りの暮らし”が少しでも続けられるよう、私たちは一人ひとりの暮らしに細やかに支援をしていきます。
■ まとめ
梅雨は決して避けられない自然の一部ですが、ちょっとした工夫や心がけで、快適に、元気に過ごすことができます。気候に左右されやすいこの時期だからこそ、「いつもと違う」体調や気分の変化に早めに気づき、無理せず対処することが大切です。 高齢の方にとって「健康」とは、体だけでなく心の状態も含めた“生活全体のバランス”です。自分自身をいたわり、周囲の人とのつながりを大切にしながら、この梅雨を前向きに乗り越えていきましょう。
【脚注・引用元一覧】
※① やす整形外科クリニック「梅雨と関節痛:なぜ関節痛が悪化するの?」
https://www.yasu-clinic.com/blog/staffs-blog_20230627/
※② 橋本まさよし「梅雨時の皮膚疾患について」
https://hashimotomasayoshi.co.jp/medical/rainyseasonfatigue/
※③政府広報ナビ 食中毒予防の原則と6つのポイント
https://www.gov-online.go.jp/featured/201106_02/
※④ つながる薬局ナビ「梅雨型熱中症に要注意!」
https://psft.co.jp/navi/health-prevention/1402/
※⑤ 渋谷コアクリニック「梅雨とうつについて」
https://www.core-cl.com/梅雨とうつについて/
※⑥ 第一三共ヘルスケア「気象病について」
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/selfcare/weatherdisease-01/
※⑦ 健康づくりのための睡眠ガイド2023
https://www.mhlw.go.jp/content/001288007.pdf